他界後65日目。
ゆっくり起床。洗濯、掃除、散歩等を終え、10時過ぎてから昼食を兼ねた遅い朝食。
カタカナ語はあまり使わないようにしているのだがブランチという言葉を使うと、すっきりとはする。
献立(メニュー)は、①コマツナのお浸し、②煮大豆、③キクイモ炒め、④ダイコン葉とネギと干しエビのチャーハン、⑤ネギとシメジと糸寒天のみそ汁。
ストーブに点火しなくて済むので、サンルームでいただく。
そして、食後のデザート。
サラミソーセージのように見えるのはデーツ(ナツメヤシの果実)。
妻が製菓用に購入していたオーガニック・デーツをナイフで切り分けた。
デーツと言えば、チュニジア旅で出会った青年ソフィアンを思い出す。
「僕の家には200本くらいナツメヤシがあるんだ」
彼の言ったその言葉がとても印象に残っているのだ。
ラクダに乗ってキャンプ地まで行き、1泊してラクダに乗って戻って来るという、お手軽砂漠キャンプを終え、トズールという街で2泊した時のことだ。
魅力的なドアが並ぶ狭い路地を歩いていた。開け放たれたドアがあり、その中に見える庭園を覗いた。その瞬間、「ようこそ、アリババ・ハウスへ!」という声とともに、黄色いシャツを着た、いがぐり頭の青年が現れた。
すぐ先にある土産物屋の店主の息子で、体育学を専攻する大学院生。春休みで帰省中だという。路地を案内してくれると言うので案内してもらった。
妻がフランス語を上手に話したこともあり、話題が弾み、路地案内終了後には、見晴らしの良い、実家の屋上にまで連れて行ってくれた。屋上からはナツメヤシが見渡せた。
その時、実家のナツメヤシについて言及したのだ。別に自慢している風でもなく、事実を坦々と説明してくれているように感じた。
その後、彼とは一緒にランチを食べたり、夜、一緒にお酒を飲みに行ったりして、興味深い話をたくさん聞かせてもらうことになるのだった。
これも妻のフランス語力のおかげだった。
ラクダに乗ってキャンプ地から帰る妻と私。